車の速度違反自動取り締まり装置「オービス」を使った全国の取り締まり件数が、過去5年で2割以上減少していることが21日、警察庁への取材で分かった。
装置が1台5千万円以上と高額なため、フィルムを使用した古いタイプの更新が進まず、故障したまま放置されるケースも増えている。
オービスの位置を知らせるカーナビアプリまで登場しており、警察関係者からは「オービスの在り方を考える時期に来ている」との声も聞こえる。
オービスは全国約700カ所に設置されているとされる。
警察庁によると、全国のオービスによる取り締まり件数は、平成20年は9万3269件だったが、昨年には7万3075件と22%も減少。
20年の取り締まり件数が1万1127件で全国最多となった兵庫県警も例外でなく、昨年は25%減の8343件となった。
その一因が装置の老朽化だ。
兵庫県警によると、県内計40カ所に設置されているオービスのうち、半数がフィルムで撮影する旧式装置で、最古は昭和51年製。
生産が終了している部品が多く、いったん故障すれば修繕が難しい状況になっているという。
デジタル撮影の新式装置へ更新できない最大の要因は、初期費用だけで1台5千万円以上かかるという予算上の問題。
新式は「フィルムの回収が必要な旧式に比べて人件費が抑えられ、長期的にみれば割安という利点もある」(県警の担当者)が、限られた警察予算の中から高額の更新費を捻出するのは苦しい状況だ。
ネット社会の進化もオービスによる取り締まり件数減少に拍車をかける。
ネット上にはすでに、高速道路を中心にオービスの位置情報を調べたサイトが続出。
スマートフォンのカーナビ機能に位置を表示するアプリも堂々と販売されている。
アプリを提供するゼンリンデータコム(東京)の担当者は「オービスの場所が分かれば、利用者はそこでスピードを出さなくなり、安全・快適なドライブができる」と正当性を強調する。
一方、兵庫県警の場合、レーダー式取り締まり装置や覆面パトカーによる速度違反取り締まりを含めた全体の件数は、13万件台で安定している。
県警幹部は「限られた予算を優先順位を決めて割り振ると、オービスの更新は後回しにならざるを得ない」と話している。

2013/09/22(Sun) 16:47 
